「持株会社(もちかぶがいしゃ)」というのは、経営権を握る目的で他の企業の株を保有する会社のことを指します。持株会社には、「~ホールディングス(HD)」とか「~グループ」といった社名がつけられることが多くありますが、本業を持ちながら他社の株を保有・経営支配する形態を「事業持株会社」、一方、本業は持たずに株式の所有・経営支配のみ行う形態を「純粋持株会社」といいます。
例えば、NTT(9432)は純粋持株会社となり、NTT東日本、NTT西日本、NTTコミュニケーションズの3子会社に分離・再編しました。純粋持株会社であるNTT自体は電話事業などを行わず、グループ本社企業に特化しています。
持株会社のメリットとしては、持株会社も子会社もそれぞれの役割に集中し、子会社はそれぞれの事業運営に、持株会社はグループ全体の経営戦略に専念できるようになることです。それと同時に、企業再編のスピードアップも期待されます。企業同士の合併には手続き上の問題や合併後の労働条件や賃金体系などを決めるのにかなりの時間がかかってしまいますが、株式の売買による買収の形をとれば会社もそのまま存続し、スピーディーに統合が実現できるというわけです。