関連会社や子会社などグループ会社を持つ会社は、単独決算の他に「連結決算」も発表しています。連結決算では、売上高や利益、負債や資産などの数値は全て、グループ会社全体での合計の数値となります。したがって、たとえその会社が黒字でも、子会社を含めたトータルでの利益がマイナスならば、連結決算は赤字となります。
連結決算は、投資家が、グループ全体での経営状況を把握したうえで会社を判断するのに役立ちます。例えば、ある会社が人員削減によってコストを減らし、業績が良くなったとします。そうすると、一見この会社の経営は順調になったように見えますが、その人員削減の内容が実際には子会社への出向や転籍だったりすると、子会社の人件費が増えることになり、子会社の業績が悪化する恐れがでてきます。子会社の業績の悪化は、最終的には株主である親会社の負担にもなってしまうのです。逆に、業績がいい子会社の場合なら、保有しているその子会社株の配当金が入ってきたり、子会社が株式市場に上場することにでもなれば、保有しているその子会社株を売却して大きな利益を得ることもできるのです。このように、グループ会社の業績が親会社に影響することから、親会社だけじゃなくてグループ全体での経営状況を知る必要があり、そのために連結決算が発表されるのです。
グループ会社の内容については、各社ホームページのIRコーナーや会社概要の欄に、「主要な連結子会社」などと掲載されていることが多くあります。また連結決算発表の資料の中にも記載されていますので見てみましょう。なお、「四季報」には、単独決算と連結決算の両方が掲載されています。売上高や利益を比較してその数字の差が大きいとグループ会社による影響があることがわかります。